美容専門学校の最新動向、即戦力輩出で注目集まる

　文部科学省の調査によると、2012年度の専門学校数は2874校、生徒数は約57万8000人にのぼる。美容学校はそのうち270校近くあるが、少子高齢化の影響で毎年生徒数は減少し、無認可の「スクール」へと流動する傾向が高まっている。

　就職率は大学や短大が景気に左右されやすく、変化が激しいのに対し、専門学校は常に70～80％を維持している。また先日、文科省は専門学校について、インターンシップより一歩踏み込んだ、即戦力となる人材輩出のための新たな課程を設ける方針も発表した。文科省が掲げる一定条件を満たす学校を「職業実践専門課程（仮）」と認定するなど、今後ますます専門学校への注目が集まると予測される。

　学校側も近年、国家試験である美容師免許取得のためのカリキュラムから、卒業後、サロンなどに就職して即戦力として活躍できるような学生の育成に注力しはじめ、サロンや実際の撮影現場などへ積極的に生徒を派遣している。こうした活動は、「現場力」を高めると同時に、「現代の若者が苦手としている対人コミュニケーション力や積極性を磨くのにも効果的」（学校関係者）といい、学生に対し、技術だけでない美容業に携わる者としての気概を持たせるような授業も増えている。

　少子高齢化社会に対応すべく、いち早く措置をとっている学校もある。

　例えば山野美容専門学校は、在学中の学生が美容師として活躍する頃には、お客の多くが中高齢層になることを見越して、加齢と社会との関わりを研究する現代ジェロントロジーや美容福祉をカリキュラムに取り入れた。「学生のうちは実感がないかもしれないが、これからの日本社会で必ず実践に結び付く」（同校）と自負しており、今後、追随する学校も増えてくると予測される。

　少子化によって生徒の獲得競争がさらに過熱すると考えられ、各校とも授業などでいかに独自性を打ち出せるかが課題となっている。

【記事掲載学校】
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◎山野美容専門学校～山野愛子の創立精神に回帰し、「壁を乗り越える力」を養う
◎ハリウッドビューティ専門学校～専門から大学院まで産学協同でビューティビジネスを一環教育
◎ベルエポック美容専門学校～実技中心のヘアメイク科を新設し、デビューの早期化図るシステム導入
◎タカラ美容専門学校～タカラベルモントが全面的にバックアップ、圧倒的な美容師国家試験合格率に強み
たかの友梨美容専門学校～旧アーデン山中のDNA継承し、ヘアとエステの両輪でスタート

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