約20年前から液体製品の輸送・保管用物流容器「マキシコン」のレンタル事業を展開する住商グローバル・ロジスティクス(以下、SGL)は、物流容器レンタルのパイオニア的存在である。
当初は食品分野を中心に展開してきたが、近年は化粧品・トイレタリー分野において、特に化粧品OEMメーカーからのレンタルが増加傾向にある。同サービスの概要について、吉井康敬物流機器事業本部マキシコン事業部長に話をうかがった。
「マキシコン」は、折りたたみ可能な液体専用の内袋式1トン容量コンテナで、SGLでは国内外で約1万4000基を保有し、売上構成比の割合は現在、食品が6割、化粧品・トイレタリーなどの非食品が4割を占める。日割りで1基からレンタルすることが可能で、「必要な時に、必要な期間、必要な量をワンウェイで利用できる」(吉井氏)といった点が特徴的だ。
また、内袋が使い捨てであるため、高い衛生品質管理が求められる食品・化粧品業界での評価が高く、特に化粧品・トイレタリー分野ではOEMメーカーでの利用が飛躍的に拡大している。
「従来までの輸送・保管用物流容器ではタンクを洗浄する手間だけでなく、衛生面において洗浄した後の洗い残しによって菌が発生するといったリスクもあった。さらに、化粧品・トイレタリー業界では、商品サイクルの短期化や多品種小ロット化も進んでおり、ここへきてレンタルによる利便性の高さが見直されている。東日本大震災の時も安定供給にこだわり続けたこともお客様に評価頂けている要因となったのではないか」(吉井氏)
SGLは日本国内7カ所のデポ・ネットワークをはじめ、海外では中国、韓国、タイ、インドネシアなどに展開し、取引先は約1200社を超える。
OEMメーカーの取引先の多角化や
商品サイクルの短期化ニーズに対応
内袋式の「マキシコン」は、衛生面に対する評価が高く、使用用途は化粧水からクリームまで多岐にわたる。厳しい品質が求められる商品の輸送・保管でも安心して利用できるのが特徴だ。
こうした衛生面以外に、化粧品・トイレタリー分野で評価を得ているポイントとして吉井氏は、「特に近年、異業種からの新規参入が増加傾向にある化粧品業界では、OEMメーカーの取引先が多角化していることに加え、商品サイクルの短期化も進んでいる。
ブランド開発が急務なOEMメーカーにとって、自社が保有するタンクには限りがあるが、新たに自社資産として輸送・保管容器を保有することは、季節性やビジネスの継続性の観点から将来的な販売予測が立てづらい同業界においてリスクとなる。その回避策として、輸送・保管容器をレンタルすることが、最近のトレンドになってきているのではないか」と分析する。
また、近年は国内メーカーに加え、アジア向けに展開する欧米メーカーからの引き合いが増えていることも、マキシコンレンタル事業の成長を牽引した一因となったようだ。
今後の事業展開について吉井氏は、「最近は本舗、OEM、充填の各メーカーをつなぐ共通容器としてマキシコンを認識いただいていることを実感する機会が多く、引き続きお取引先の期待に応えられるようサービス拡充につとめていく」と抱負を述べた。
この記事は週刊粧業 掲載
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