資生堂・杉山繁和執行役員、マーケティング改革の方向性について語る

週刊粧業 2014年11月24日号 4ページ

カンタンに言うと

資生堂・杉山繁和執行役員、マーケティング改革の方向性について語る
 資生堂の杉山繁和執行役員ジャパンCMOは、このほど開催された「化粧品開発展/国際化粧品展」の基調講演において、「これからの資生堂のマーケティング」と題したプレゼンテーションを行った。

 杉山氏は、1987年に早稲田大学教育学部を卒業後、ライオンや日本コカ・コーラにて市場調査関連の要職を歴任し、2009年に資生堂に入社。2012年には執行役員(現任)、2014年には国内化粧品事業マーケティング領域、CPBグローバルユニット担当(現任)、2015年にはジャパンCMOに就任している。

 魚谷雅彦社長の歩んできた経歴と軌を一にする杉山氏は現在、資生堂国内マーケティング部門の実務責任者としてマーケティング改革を推進しており、業界内外より注目が集まっている。

 今回の講演では、主にマーケティング改革の方向性や、改革第2弾となる「エリクシール」の刷新ポイントについて語られた。以下は講演要旨である。

最終購買に至らないのは、
買う必然性が見つからないから

 当社は4月に魚谷雅彦氏を新CEOに迎え、マーケティングを経営の根幹に据える改革を進めている。本日は、マーケティング改革の一端を紹介しつつ、エリクシールのブランド刷新を題材として事例を紹介していく。

 お客様が受け取る資生堂という観点でみると、TVやメディア、街角、店頭、商品が発する佇まいやメッセージがバラバラで、黄色や赤色、青色などはっきりとしたカラーコードもうまくコントロールされておらず、プレステージなイメージがある一方で、ファニーな広告で訴求している製品もあるため、当社においてはコミュニケーションが統一されていないといった課題を抱えている。

 こうした状況に至っているのは、資生堂がかつて強い時代があったということが背景にある。これまでは資生堂という名称を幅広く使い、多様な価値を提供してきた訳だが、資生堂ブランドのもとでどんな価値を約束しているかというブランドマネジメントの観点で考えると、現在はコントロールできていない状況だ。

 平均購買単価という観点でみても、ブランドの曖昧さが表出している。百貨店で展開している「グローバルSHISEIDO」が5475円、「クレ・ド・ポー ボーテ」が8890円となる一方で、ドラッグストアやGMSで展開している「専科」や「シーブリーズ」、「ツバキ」は500~600円と3ケタの金額になっている。

 同じ資生堂ブランドを活用しながら価格帯にこれだけの開きがあるという部分だけを捉えても、提供価値の曖昧さは如実に現れている。

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