百貨店の化粧品販売、ポイントは各店流のエンターテイメント

C&T 2015年3月16日号 16ページ

カンタンに言うと

百貨店の化粧品販売、ポイントは各店流のエンターテイメント
 2014年の全国百貨店売上高(日本百貨店協会調べ)によると、化粧品の売上高は3577億4350万円(前年比6.6%増、構成比5.8%)と堅調に推移した。

 増税前のかけこみ需要やインバウンド効果が追い風となり、売上げを伸ばしている。増税後の消費の冷え込みを訪日外国人がカバーした形となった。

 世界トップレベルの接客で外国人をうならせながらも、百貨店は新客育成に頭を悩ませている。有力店ではどのような仕掛けで来店を促しているのだろうか。

かけこみ需要が去った売場を
盛り上げたのは外国人旅行者

 2014年の百貨店化粧品売場は消費増税の駆け込み需要で幕を開けた感がある。

 当初は「それほど期待はしていない」(メーカー)との声も上がっていたが、「たかが3%、されど3%」というのを実践したのが今回の駆け込み劇であった。特に百貨店に軒を連ねる、単価が1万円を超える高級化粧品をまとめ買いする姿が多くみられたのである。これに拍車をかけたのが円安を踏まえた値上げ攻勢であった。ただでさえ消費が冷え込む増税直後に値上げをするのは賢明ではない。そこで増税前に値上げをして駆け込み需要をさらに盛り上げようというものだった。こうして年初から駆け込み商戦が始まり、3月は各店とも大きな数字をたたき出した。

 増税後の数カ月間は、まとめ買いの恩恵を受けたブランドの数字は伸び悩んだが、トレンドを切り抜いたかのような限定色はまとめ買いするような商材ではなく、メーク系は比較的落ち着いていたようだ。

 増税後のカンフル剤となったのは夏の限定色やボディケア、さらに例年より発売を遅らせた春の新製品であった。4月に大々的な店頭販促を組み、百貨店でまとめ買いをしない若い新客を取り込んで数字をつくった店舗もある。

 次の増税前後にどのようなドラマが繰り広げられるのか、興味深いところだ。

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