天真堂、大学機関との産学連携を推進

週刊粧業 2019年4月15日号 20ページ

天真堂、大学機関との産学連携を推進
 医薬部外品と機能性表示食品のOEM事業を展開する天真堂は、今期(2019年12月期)も引き続き、オリジナルの原料・処方開発を推進していく。

 研究開発の取り組みについて、児玉和之社長に話を伺った。

 ――独自の原料・処方開発について、具体的にお聞かせください。

 児玉 原料開発では、ニンニクの新たな機能性を研究するため、早稲田大学人間総合研究センターと共同研究契約を締結し、先月開催の農芸化学会で研究成果を発表した。

 今回の共同研究では、ニンニクの作用に関する遺伝子発現ネットワークを解析し、ニンニクの機能性に関する分子メカニズムや未知の機能性を解明するための研究を実施した。

 その結果、加熱発酵したニンニクが、ヒトやマウスの細胞内にあるタンパク質分解システムの1つであるオートファジーに影響を示すことを見出した。

 今後は、共同研究を通してニンニク成分の人体への機能性や安全性に関する科学的エビデンスを構築し、さらに有用な機能性を増強する加工方法の開発を行っていく。

 処方開発では、昨年10月のM&Aで自社工場を取得した。今年5月には吸収合併して当社が製造業許可を取得する。

 このほか、水溶性の有効成分を肌へ急速に浸透させる経皮システム「TEN‐DDS」(特許取得済み)に次ぐ新たな処方開発も進めており、デオドラント効果を高める「TEN‐DEO」と、ニキビケア効果を高める「TEN‐ACNE」を独自開発し、いずれも特許申請中だ。

 医薬部外品の処方も50件近くまで広がり、今後もさらに処方数を増やしていく。

 ――研究開発では今後、どのような取り組みを進めていきますか。

 児玉 大学機関や自治体との連携をさらに緊密にしていき、今後も独自の原料・処方開発をより一層進めていきたい。

 社内の取り組みに関しては、今夏にラボを従来比で2.5倍に拡張し、人員も増員する。

 拡張後は、植物からより効率的な成分抽出を目指して原料抽出の新たな設備も導入し、製法特許の取得に注力していく。
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