資生堂、男性版顔立ちマップの開発でメイクによる自己表現をサポート

粧業日報 2020年7月29日号 3ページ

資生堂、男性版顔立ちマップの開発でメイクによる自己表現をサポート
 資生堂は、高い技術と経験を持つ同社所属のヘアメイクアップアーティストの美的感性と、グローバルイノベーションセンターで長年培ってきた顔立ちや印象に関する研究知見をもとに「男性版顔立ちマップ」を開発した。

 マップを活用して眉を整えることで、自分の顔立ちに合わせて簡単になりたい印象を演出することができる。

 さらに7月4日からは、ヘアメイクアップアーティストがメンズメイクのテクニック等をわかりやすく解説する動画をYouTubeに掲載していく。

 マップ開発のために行った研究成果の一部は、「第15回日本感性工学会春季大会」(2020年3月5~6日)で発表した。

 近年国内では、男性化粧品市場が伸長しており、スキンケアだけでなくメイクアップについても徐々に関心が高まっている。一方で、メイクをしてみたいが「なにから始めて良いかわからない」「自分に最適な方法がわからない」という理由から、実践していない人も多数存在する。

 このような現状を受け、資生堂は1996年に開発した「女性版顔立ちマップ」に続き、男性も自分の顔立ちを分析してメイクアップによってなりたい印象に近づけられるツールの開発に着手した。

 男性版マップの作成にあたり、男性の顔立ちとそれに紐づく印象を研究した。まず、アーティストが様々な男性の顔写真を見て顔立ちの類似度を評価し、その結果を研究員が統計解析処理(MDS:多次元尺度構成法)を実施。これにより、アーティストが男性の顔立ちを見極める際に重視する顔の形態特徴を科学的に解釈し、男性の顔立ちを3つの軸(1軸:目の開き、2軸:目の角度・あごの大きさ・目の間隔、3軸:顔と鼻の大きさ)で表した。

 次に、各軸の顔形態徴を表した顔写真をCGで作成し、約7000名にそれぞれの特徴が与える印象について調査したところ、各軸の顔形態特徴が異なる印象を与えることが明らかになった。こうした知見から、主に目周りの印象に関わる1軸2軸の結果を活用し、「男性版顔立ちマップ」が完成した。

 なりたい印象がある場合には、自身の顔立ちを分析して眉の形を変えるのが効果的で、目の大きさや角度、両目の間隔などを強調あるいは弱めて見えるように眉を整えると、印象を変化させることができる。

 例えば、「男性版顔立ちマップ」で、「COOL(クール)」の顔立ちの人は、目もとが求心的で目尻が上がり、すっきりとしていて、あごの面積がやや狭いため、洗練された印象のクールな魅力を持っている。

 そこで、さらに眉をやや丸みを持たせるアーチ状に描いたり、角度を弱めたりすることで、さまざまな印象に変化させられる。シーンによってなりたい印象を使い分けることが可能だ。

 今回の研究に携わり、長年メンズビューティーを研究しているヘアメイクアップアーティストの中村潤氏は、7月4日より男性の眉メイクについて紹介するYouTubeチャンネル「メンズグルーミング チャンネル」を開設。顔立ちの分析方法や印象を変える眉の描き方などを、基本とわかりやすいコツを交えて掲載する。
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