太陽化学、新型肺炎対応の洗浄剤として界面活性剤の提案進める

週刊粧業 2020年7月13日号 53ページ

太陽化学、新型肺炎対応の洗浄剤として界面活性剤の提案進める
 太陽化学は、1952年に日本で初めて食品用乳化剤を開発し、食品分野で界面制御技術を発展させてきた。

 同技術を応用し、現在は化粧品や日用品分野にも提案の幅を広げている。

 現況や最新技術について、カスタマーサービスセンター第3部グループリーダーの川浪博司氏に話を伺った。

 ――現況を伺います。

 川浪 経済産業省が5月28日に発表した「洗剤に含まれる界面活性剤で新型コロナウイルスが効果的に抜去できる」というアナウンスを受け、当社でも界面活性剤への引き合いが高まっている。

 特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、洗浄成分の「サンソフトM₋12JW」が好調に推移している。

 「サンソフトM₋12JW」は、一般的な非イオン化界面活性剤で課題となる洗浄力や起泡力にすぐれるほか、低刺激で、高い保湿感を付与できる点が特長といえる。

 さらに、処方によっては、単体で高い抗菌効果を発揮することが示唆されており、インフルエンザウイルスに対する不活化効果も確認されている。

 今後、新型コロナウイルスへの試験も予定し、洗浄に加え抗ウイルス効果も発揮する成分としての提案を進めていく。

 また、エーテル型の「サンイーサーL₋4」の提案も強化している。

 非イオン型界面活性剤はエステル型とエーテル型に分類されるが、エーテル型は、幅広いpH領域で安定性に優れるため、様々な処方系に配合することができる。

 加えて、石けんとの併用において、硬水下であっても優れた洗浄力と起泡力を有し、特に洗浄時のきしみ感改善が期待できる素材といえる。

 処方としては、クレンジング洗顔ペーストを提案しているが、同原料の配合により、中和後の石鹸ゲルの分散・溶解が容易になり、製造時間を短縮することも可能となる。

 また、当社の得意とするクレンジング用素材「サンソフトQ₋8H₋C」を併用した処方となっており、高いクレンジング力を持つ洗顔料の設計となっている。

 今後も、当社の強みである界面活性剤を処方と合わせて提案し、お客様の要望に応えていきたい。
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