日進化学、ナイアシンアミドと炭酸の組み合わせでシワ改善市場に新規性

週刊粧業 2020年8月24日号 9ページ

日進化学、ナイアシンアミドと炭酸の組み合わせでシワ改善市場に新規性
 化粧品・医薬部外品OEM/ODMとエアゾール製造を行う日進化学は、5カ年計画「NC VISION2020」の最終年度となる2021年3月期の売上計画を110億円(前期比約1.8%増)に設定し、コロナ禍の苦境を乗り越えプラス成長を目指す。

 コロナ禍のクライアント対応では、新製品の初回生産などで工場の立ち合いができない状況のため、タブレット端末を使用し、生産状況を動画で撮影しながら行っているという。

 髙田寛社長は「以前より進めていたネットワーク環境や生産システムの整備がある程度構築されていたため、比較的スムーズに対応できたと思う」と述べ、自社の製造品目から業界の市場感を次のように語った。

 「インバウンドの爆買い対象となっていた洗顔料や化粧水、オールインワンジェルの落ち込みが大きくなっている。もともと19年1月に施行された中国EC法の影響で、インバウンドは減速気味だったが、今年は市場が上向くことに少し期待感を抱いていた。コロナ問題でインバウンド消費はほぼ完全に消失した」

 2020年1~6月の生産出荷本数は前年同期比13%減となった。

 コロナ禍では、外出自粛や在宅勤務、マスク着用などの影響を受けて「ヘアスタイリング剤やUVケア、制汗剤などのレスポンスが悪くなっている」と話す。

 一方で、手指用消毒液&スプレー、ハンドソープなど衛生関連商品の受注が好調なほか、洗口液をはじめとするオーラルケア製品や除毛剤などプラスの波及効果も生まれているという。

 下期もコロナ禍での対応が続く。髙田社長は「売上計画の達成には、コロナ禍で生じたマイナス要因を、如何にプラス要因でカバーできるかどうかが鍵になる」と述べ、収束の目途が立たない間は、衛生関連をはじめとする受注が伸びている製品に注力する考えだ。

 研究開発では、このほど「しわ改善、美白、肌あれ改善」のトリプルアクティブ作用が確認された「ナイアシンアミド」を配合した薬用化粧品の独自開発に成功した。現在、医薬部外品の申請中で、今秋にも承認される予定だ。

 化粧水や乳液、クリームなどの基本剤型に加え、差別化戦略として、エアゾール化したシワ改善製品(仮称=リンクルソーダミスト・リンクルソーダパック)も取り揃えた。

 トリプルアクティブ作用の有効成分を配合した製剤に、血行促進効果のある炭酸ガスの組み合わせた製品で、シワ改善効果の増幅が期待できる。

 全顔用から目元やほうれい線などのスペシャルケア用途まで要望や商品企画に合わせて対応が可能で、薬用シワ改善市場の拡大に寄与していく。
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