香り製品のODMイマジネラボでは、コロナ禍のミスト製品の受注が急増した。
新型コロナ感染拡大が明らかになり、同社ではすぐに製品処方を開発。財団法人日本食品分析センターにおいてエンベロープウイルスでの不活性化試験を実施し、3月末頃に試験結果が出た。
ロックダウン等の影響から、EU製容器の供給はタイトになっているものの、11月頃までフル稼働で生産にあたる。
6月頃まで軟調傾向だったフレグランス市場だが、7月以降は徐々に回復基調にあるという。同社でも、7月初め頃から新たな受注を獲得しているようだ。
こうした市場動向について、竹内昭夫代表取締役CEOは「店頭再開に合わせて、フレグランス製品を待っていたユーザーも多かった」と話す。
加えて、在宅時間が長期化する中、室内用フレグランスの需要も高まっている。竹内代表は「ディフューザーへの注目もさらに高まるだろう」と、フレグランス市場の展望を語る。
今般のコロナ禍で、同社はすぐに在宅勤務体制に移行した。8月現在も、業務の大半をテレワークで遂行している。営業面での支障もなく、社員からの反応も良好だという。
今後の製造業のあり方について、竹内代表は「省人化など、製造現場での取り組みも求められる」と語る。
同社では、イタリアのコーベン・エディジオ社から輸入した自動充填機を提携工場に導入するなど、製造面の効率化にも意識的に取り組んでいる。
さらに竹内代表は「今回のコロナ禍は新たな市場開発のチャンスにもなりうる」と強調したうえで、「コロナ以前の価値観でビジネスを諦めてはいけない」と、新たな取り組みに意欲的だ。
4月から自社ECサイト「ブティックイマジネ」をオープンした。同社が手掛けた製品群を展開し、メール1本で提携工場から個別配送できる仕組みを構築している。
また、EC販路を持っていないクライアントの商品も販売できるほか、具体例を提示できるという面でも活用の幅が広がっている。
今回のECサイトは、異なるマーケットに展開してきた商品をつなげる場として位置づけている。これまで同社は、伊万里焼の容器を使用した尾道の「福猫香ルームフレグランス」や、七福神をモデルにした「七福猫カードフレグランス」など、ユニークな商品を数多く手掛けてきた。
地理的なマーケットに展開する「福猫香」や、猫をコンセプトの核に展開する「七福猫」をECサイトがつなぐことで、さらに多くのニッチ需要を取り込んでいく。
同社は、「製品のデザインだけでなく、マーケットデザインも意識している」(竹内代表)と、ODMとして取り組みの幅を広げている。