日本色材工業研究所、BCPの観点から生産拠点を分散化

週刊粧業 2020年8月24日号 7ページ

日本色材工業研究所、BCPの観点から生産拠点を分散化
 日本色材工業研究所では、昨年11月に化粧品GMPと米国向けOTC製品の製造規範(cGMP)に準拠したつくば工場の第3期拡張工事が竣工した。

 これによって、主力の座間工場と同様の一貫生産工場となり、BCPの観点で念願だったバルク製造の分散化が実現した。

 今年6月には新たに座間工場からつくば工場へ開発部門(品質安全保証部・技術開発部)を一部移管した。

 バルク製造に付帯する検査・分析を担う同部門と、生産現場との連携を緊密にすることで、生産性のさらなる効率化を目指す。

 「これまではバルクの製造拠点が1カ所に依存しており、緊急事態に備えた生産拠点の分散化が大きな課題となっていた。今回のコロナ禍で、座間とつくばの2工場はいずれも通常通りに稼働し、こうした不測の事態でも製造業として最も重要である生産の継続を実証することができた」(奥村浩士会長兼CEO)

 直近の受注状況に関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、外出機会の減少やマスク着用が常態化し、口紅をはじめとする主力のメークアップが苦戦を強いられている。

 そうした中でも、マスカラやアイライナーはコロナ禍においても引き続き、既存顧客を中心に受注が継続しているという。

 「メークアップに関しては、ユニークで特色のある製品を開発していくことが重要だ。既に、落ちにくい口紅の処方をアップデートし、マスクにつきにくい口紅として新たな提案を開始しているほか、最近ではラメ入りのアイライナーも開発した。つくば工場で新たに生産するUV製品への引き合いも既にあり、今後のさらなる受注拡大に期待している」(奥村会長)

 フランス子会社のテプニエ社では、医薬品を中心に受注が好調に推移している。

 日本色材グループでは、オンラインでのプレゼンによる営業活動を積極的に展開し、下期に発売する新製品の受注が既に複数決定しているという。

 「現地で直接、技術指導ができない状況が続く中で、フランス2社でオンラインを活用し、グループ一体となって営業・研究部門ともに成果を上げている。海外での取り組みに関しては今秋、新たな取り組みとして海外のオンライン展示会に参加し、新規顧客の開拓を進めていく」(奥村会長)

 最後に、コロナ時代の製造業の生き方について奥村会長は、「コロナだからと言って突拍子なことをするのではなく、今までのことを引き続き地道にやっていくことが肝要で、いかに新しいものを開発し、生産性を高めていくと同時にお客様にアップデートした製品や情報を提供することを地道に続けていくしかない」と力強く語った。
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