東洋ビューティ、スキンケア研究を軸に新5カ年始動

週刊粧業 2020年8月24日号 6ページ

東洋ビューティ、スキンケア研究を軸に新5カ年始動
 国内化粧品ODM/OEM大手の東洋ビューティは、80期(2020年5月~21年4月)から新5カ年経営計画をスタートし、ゼロから製品開発を行うODM事業の育成強化とともに、19年春に竣工した佐賀工場の稼働率を上げて、新5カ年最終年度となる84期に売上高360億円(79期比44%増)の達成を目指す。

 また、経営理念を新たに「美と健康への想いをかたちにし、笑顔あふれる未来をつくる」とし、新領域の開拓も模索する。

 80期は売上高270億円(前期比8%増)を目標に掲げる。同期第1四半期(20年5~7月)は計画比85%台で推移した。コロナ禍で苦しいスタートとなったが、岩瀬史明社長は「7月の売上はほぼ計画水準に戻ってきた」と話す。

 業界を俯瞰すると、UVケアやメークアップなどカテゴリーによっては外出自粛ムードの高まりの影響を大きく受けている状況だが、同社の主要生産品目はスキンケア製品とシャンプーなどのインバス関連製品で、その影響は比較的抑えられていると見ている。

 また、感染予防を目的としたハンドジェル等の受注が増えるなど、岩瀬社長は「コロナ禍で新たな消費者ニーズも生まれている」と語った。

 感染予防製品の使用は、収束後も習慣として根づくことが予想され化粧品ブランドが新たなケア製品としてラインナップする動きも見られはじめており、新たなニーズに対応した製品の開発・供給を進める。

 「製品以外でも、D2Cを中心とした新規参入があり、美容室やエステサロンもオンラインサービスの導入とともに物販を強化する動きも見られる。そうした社会環境の変化やそれにともなう消費者ニーズの変化に対応することで、ODM/OEM業界にとってはまだ成長拡大の余地がある」

 コロナ問題の長期化により、クライアントの新製品の発売や企画開発の遅れなど先行き不透明感は拭えないが、岩瀬社長は「その分、社内開発に注力しやすい環境と捉え、研究開発力の強化につなげていきたい」と前を向く。

 研究開発では、スキンケア研究の強化に注力する。

 同社は、この十数年でスキンケアカテゴリーの売上構成比が大きく伸長しており、製造品目数では、シャンプーや化粧水などを抑えて美容液がトップ品目に成長した。

 「当社は戦後、『プリンス』『ハイネオ』の商標でスキンケア製品を手がけて成長してきた歴史がある。スキンケア研究企業としての成長拡大し、その歴史を息づかせていきたい」

 また、「美と健康」を軸に、化粧品の可能性を広げられるような製品やサービスの創出を目指す。
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