日本色材工業研究所、第1Qは日・仏とも好調で大幅増収

週刊粧業 2023年8月21日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 急激な受注回復への対応が課題に
日本色材工業研究所、第1Qは日・仏とも好調で大幅増収
 日本色材工業研究所の今期(2024年2月期)第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比48.3%増の36億7900万円、営業利益が1億7000万円(前年同期は8200万円の営業損失)で増収増益となった。

 今年度の主な取り組みについて、奥村浩士会長に話を伺った。

 ――第1四半期が好調だった主な要因についてお聞かせください。

 奥村 コロナ禍でメーカーさんの企画が全く動かず、メークアップの新製品が抑制されていた中で、当社では新しい営業活動として、最新の開発品や処方をメールマガジンで紹介する取り組みを2年ほど前からスタートした。

 厳しい状況下でも我々から情報を発信していく地道な営業活動を継続的に行ってきた成果が、コロナが明けたタイミングで良いスタートダッシュが切れた最大の要因といえるだろう。

 このほかにも、容器に特化したチームを昨年1月に発足して以来、我々が容器の材質や形状と中身のバルクとの相性を事前に確認したうえで注意喚起やアドバイスを行う体制が強化され、お客様とのより密接な関係性の構築へとつながっている。

 メークのカテゴリーは現在、目もと関連の受注を維持したまま、口紅がそこに上乗せされている形で全般的に好調だ。

 口紅は前期から受注が回復基調にあり、今期に入ってからさらにその勢いが増している。それに伴って、今後は急激な受注回復への対応が課題となる。先を見越して工場での生産効率を高める取り組みを着実に進めていきたい。

 新製品の開発では、中期事業戦略ビジョンに掲げる「クリーンビューティへの積極取組」に注力していく。

 その一環として、最新のトレンド分析をもとに当社の最先端技術を駆使して開発した株主優待品「Beauence(ビューエンス)」シリーズ(非売品)では、環境配慮を意識して今年から初めて紙容器のアイカラーパレットを採用した。

 ――フランス子会社2社(テプニエ・日本色材フランス)の近況はいかがでしょうか。

 奥村 テプニエは、医薬品と化粧品両方で安定した受注が続いている。昨年から連結業績の対象となった日本色材フランスでは、粉体以外にも生産できる化粧品カテゴリーの幅を広げるべく、設備投資を行っていく方針だ。

 それと同時に、日本の研究開発メンバーを現地に派遣し、グループシナジーのさらなる創出を図っていく。
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