日本色材工業研究所、グローバルで存在感のあるOEM・ODM企業を目指す

週刊粧業 2023年10月16日号 57ページ

日本色材工業研究所、グローバルで存在感のあるOEM・ODM企業を目指す
 コロナ禍が明けてメークが非常に活況なことは事実ですが、一方で我々を取り巻く市場環境として原材料や燃料、輸送費等が急激に高騰しており、これをOEM・ODM企業が価格に転嫁しきれていないのが現状です。

 また、世界の有力な化粧品OEM・ODM企業をみると、韓国のコスマックス社とイタリアのインターコス社の2社が抜きん出ており、アジアだけでなく欧米を含めてグローバルで存在感のあるOEM・ODM企業が日本から出ていないことも大きな課題です。

 今後の商売を考えた時、人口減少が加速する日本だけのビジネスでは持続的な事業の拡大が難しく、やはり欧米・アジアに製造拠点を持つことは今後の成長戦略を語るうえで重要なポイントとなるでしょう。

 当社では日本(座間・つくば)とフランス(テプニエ・日本色材フランス)で合わせて4つの製造拠点を保有していますが、グローバルで存在感のあるOEM・ODM企業を目指し、創業100周年を迎える2030年に向けて、アメリカでの新たな製造拠点の確立へ将来的な設備投資も検討しています。

 為替リスクなども勘案し、特定の地域に偏らず国内と海外で売上比率を半々とすることが我々の目標です。現時点でフランスの子会社2社を含めた日本色材グループ全体では既に半々の比率となっていますが、日本色材単体では現状で国内向けが7割、海外向けが3割となっており、それを2030年までに半々を目指していきます。

 今後の成長戦略を語るうえで最も重要なことは、これまで長年築き上げてきた我々に対する信頼をこれからも維持し続けられるかどうかに尽きます。付加価値のある新しい製品を生み出すことももちろん成長するためには重要ですが、生産管理や設備維持といった、表に見えないこうした手間のかかる仕事を地道にし続けられるかが大切です。

 「優雅に美しく水面に浮かぶ白鳥も、水面の下では必死に足を動かしている」という言葉もあるように、同じ品質で安定的に生産し続ける努力は非常に大変です。

 人間がすることは必ずミスもありますが、そのミスをいかに早く見つけて対策をきっちりと打ち、お客様に納得していただく対応ができるかが大事だと思います。新製品の開発はもとより、安定した品質を提供し続けなければお客様から信頼を無くしてしまいますので、我々はこれからも作る側のメーカーという立場として、そこはしっかりと取り組んでいきます。
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