ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:三浦卓士)は、2015年11月27日に開催された第77回SCCJ研究討論会において、「最優秀発表賞」を受賞しました。
SCCJ研究討論会「最優秀発表賞」は、日本化粧品技術者会(SCCJ、http://sccj-ifscc.com/)が、化粧品関連分野の研究の一層の発展と活性化をはかることを目的とし、前回(第76回)の研究討論会より新たに創設した賞です。
発表内容・プレゼンテーション・質疑応答などにおいて最も優れた発表に授与されるもので、今回22件の研究発表が行われ、その中から1件選ばれての受賞となりました。
●受賞発表の概要
■発表タイトル:「顔の動きや観察角度が年齢印象に及ぼす影響」
発表者:ポーラ化成工業㈱ 肌科学研究部 黒住元紀,水越興治,本郷麻耶,藪崎次郎
工学院大学情報学部 情報デザイン学科 蒲池みゆき
■発表内容概要
これまで、ヒトの見た目の年齢印象を判断する研究では、正面から見た真顔や、その写真・画像などの静止画を用いてきました。一方、実生活において目にするヒトの顔は正面の真顔だけでなく、斜め上を向いたり、横顔であったりと方向は様々です。
また会話をしながら作られる表情、顔の皮膚の動きなどを見ながら年齢に関する情報を得ていると考えられます。
そこで本研究ではこれまで行われたことのない、実生活を反映した条件で調査することにより、何がヒトの見た目の年齢を決
めるのか、真の原因を探る検討を行いました。
日本人女性を対象に、顔の向きや顔の皮膚の動きが見た目の年齢に及ぼす影響を調べる実験を行い、以下のことが分かりました。
1)正面から見るよりも若く見える顔の向きがある
2)表情をつくる際に皮膚が動くことで、40代を境に老けた印象を与えてしまう
さらに、年齢を判断する観察者の視線を追跡したところ、
3)見た目の年齢を判断する際には、頬にも視線が向けられる
ことが判明しました。
以上より、私達は実生活において、相手の顔の向きや表情をつくる際の皮膚の動き、また部位としては“頬”部に着目して見た目の年齢を判断している可能性が高く、シワ・たるみ等の、よく知られた老徴とは異なる、新たな老化徴候の存在が示唆されました。
今後、老けた印象を与える皮膚の物性、メカニズムについて明らかにしてゆく予定です。
【本件に関するお問い合わせ先】
(株) ポーラ・オルビスホールディングス コーポレートコミュニケーション室
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