化粧品受託製造業を展開している日本色材工業研究所 (本社=東京) が発表した2011年2月期第2四半期決算は、 売上高33億9400万円で前年同期比10.1%増、 営業利益1億9500万円で同183.3%増、 経常利益1億4200万円で同846.6%増、 四半期純利益は1億3400万円 (前年同期は2400万円の純損失) となるなど、 業績巻き返しを果たした前期末の勢いが加速する格好となった。
事業別セグメントでは柱の 「化粧品事業」 売上高が30億6600万円で前年同期比12.2%増、 営業利益は4億9300万円で同43.6%増と主軸の収益性が大幅に改善した。
また、 長きにわたって連結業績のアキレス腱だった 「医薬品その他事業」 は売上高3億2700万円で同6.9%減と為替の影響もあって減少した一方、 グループを挙げて取り組んだ収益改善策が奏功して1500万円の営業利益 (前年同期は3300万円の営業損失) を確保した。
さらに、 所在地別のセグメント業績に目を転じると、 国内はスキンケアやメークアップ製品の数字が増大するなど好調アイテムが底上げに貢献した点に加え、 製薬など異業種参入組からの新規受注が追い風としてはらんで売上高28億5200万円で前年同期比7.9%増、 営業利益4億8800万円で同36.8%増と躍進した。
このほか海外では仏子会社テプニエの売上高が5億6200万円で同18.4%増、 営業利益は1800万円 (前年同期は5200万円の営業損失) だった。 テプニエは厳しい局面が続く欧州経済を横目に、 国内向け基礎化粧品と薬用歯磨きで増収と営業黒字を堅持した。
10月28日に都内で開催した決算会見で、 奥村浩士社長は好調に推移した当四半期の全体像について 「マーケットが縮小しているなかで非常に大きな伸びを示している。 足を引っ張り続けた仏子会社も黒字化した」 と評すなど一定の達成感があると語った。
また、 詳細な項目に触れた部分では、 育成アイテムに位置づける化粧水に関し 「(前年同期比が)231%だった。 ビックリするくらい伸びた」 と説明したほか、 独自で開発した原料 「Mg Tube」 (マグチューブ) を配合した口紅について触れ 「大手の採用で (業績面が) 助かっている。 これを使うか使わないかではテクスチャーに大差がある」 と述べ、 経営トップが特定の素材を手放しで称賛した。
通期の連結業績予想は売上高67億700万円 (対前年比1.9%増)、 当期純利益3億600万円としている。 奥村社長は現状の進捗を通期で継続することに強い自信をのぞかせた。
この記事は粧業日報 掲載
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