花王ビューティケア研究センターはこのほど、6カ月間の頭皮マッサージによって、毛髪密度と毛髪弾性(「ハリ」や「コシ」)を増加させることの検証に成功した。また、マッサージによる毛髪密度の増加と頭皮の定常血流量増加とハリやコシの増加、キューティクルの厚さにそれぞれ関連があることを見出した。
今回の結果からは、頭皮マッサージによって、毛周期の休止期から成長期への移行促進、キューティクル層の肥厚などが起こり、毛髪密度や髪の「ハリ」や「コシ」が高まるという好ましい状態に変化したものと考えられるため、同社ではこの成果を、今後のヘアケア製品やヘアケア技術の開発に応用していく。
エイジングに対する意識が高い女性の約7割が、自分自身で頭皮マッサージを行った経験があり、「気分のリフレッシュ」「気持ちの安らぎ」をあげる回答がある一方で、加齢に伴う「髪が薄くなった」「ハリやコシがなくなった」という悩みへの対策として、育毛効果も期待していることがわかった。(同社調べ)
そこで同社では、さまざまな検討結果から、血液循環を促進して毛根に栄養を多く供給することが髪の太さや「ハリ」や「コシ」の改善につながると考え、頭皮への刺激法による血流量の変化を把握し、「頭皮をほぐす、押す、さする、引き上げる、軽くたたく」の一連のマッサージ方法での施術後に、血行が促進されることを確認してきたが、今回は、さらに進んで長期間頭皮マッサージを行った場合の毛髪の成長や毛髪物性、頭皮の血流に及ぼす作用を検証した。
研究の結果、毛髪密度は6カ月間のマッサージにより、約6%の増加を示し、マッサージをしなかったコントロール群に比べて有意差があった(P<0.0001)。また、髪を曲げた時にかかる力を計測することでマゲ弾性係数を求め、髪の「ハリ」や「コシ」を評価したところ、6カ月間のマッサージにより、約3%のマゲ弾性係数の上昇を示し、コントロール群に比べて有意差があった(P<0.05)。
続いて、マッサージ群において、マッサージをした側としない無処理側とを比べることで、データ同士の関連の有無を調べた。同じ人の左右で比較することにより、個人差によるデータのぶれを少なくし、より正確な検証を行った結果、マッサージ側の頭皮の定常血流量は、無処理側に対して有意に上昇した(P<0.05)。
そして、この上昇率は、マッサージによる毛髪密度の上昇率と正の相関があった(r=0.42)。マッサージをしない無処理側では、関連が見られなかったことから、毛髪の成長に対する血液循環の重要性があらためて示された。
また、マッサージ側でのマゲ弾性係数の上昇率と、キューティクル層の肥厚化との関係を調べたところ、両者間に正の相関が見られた。(r=0.83)
なお、今回の研究成果は、第69回日本化粧品技術者会研究討論会(2011年11月30日)にて発表している。
この記事は粧業日報 掲載
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