開発部(製品開発二課 高橋達治リーダー/研究開発課 松原順子氏)に聞く
――貴社は創業当時から研究開発型メーカーとして知られていますが。
松原 開発技術者は全社員の約20%、およそ30名おり、基礎研究から機能性の評価、製品化まで行っている。
高橋 売上構成比は、化粧品原料が大きな割合を占めるが、約10年前から強化した食品原料も近年実績を伸ばしている。
――お二人が開発に携わった国産サケ鼻軟骨由来の「プロテオグリカン」は、化粧品、食品のどちらにも有効性を見出し、発売から約2年で配合商品は数十品を数えると伺っています。
松原 プロテオグリカンは、弘前大学との産学共同研究により、角弘の特許製法を応用して高純度な原料での量産化が実現し、製品化した内外美容成分。地域活性化という観点からも青森県の新産業として期待され、配合商品が増えている。
高橋 食品用「プロテオグリカンF」は、シワ、たるみの改善といった美容効果のほか、少量の摂取で関節痛、軟骨代謝を改善することが確認された。幅広い訴求と少量の配合で実感できることも相乗し採用実績が増えている。
――研究開発で心がけていることは。
高橋 入口(素材)は異なっても、最終的な出口(期待できる効果・効能)は美容や身体の悩みなどある程度決まってくる。そのため出口へのアプローチ方法にこだわりを持って取り組んでいる。
松原 具体的には、科学的なデータに加え、見た目で分かりやすいデータの取得に心がけている。化粧品用「プロテオグリカンIPC」では、保水力の評価試験に、消費者になじみのある素材を使用し、その結果を写真で提示した。伸びのよい感触とともに評価ポイントにつながっている。
――今後の目標は。
高橋 さらなる健康食品原料を開発すること。近年好調に推移するフィトセラマイド(米セラミド)やプラセンタのような定着素材に加え、ストーリーの面白さや弊社独自のオリジナル性が高い機能性原料を開発していきたい。
松原 入社5年足らずで開発部内の3部署を経験できていることは大きな財産。機能性、生産性なども加味しながら、被験者の生の声を聞ける(現部署の)強みを開発につなげていきたい。
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