週刊粧業
セントラル・コーポレーション(本社=岡山県、笹山博史社長)は、「100%活性型 成長因子(EGF・FGF等)」の原料抽出と「高活性・高効率水溶性」の特許原料で、細胞再生化粧品原料の研究における「オンリーワン企業」を目指している。
今回の国際化粧品開発展(ブース№6-19)では、化粧品業界において、細胞再生医学に基づき、保護化粧品から細胞再生化粧品へのシフトが加速していることを受け、「細胞成長因子の原料抽出研究」をテーマに、細胞成長因子の生産抽出工程における最先端技術が紹介される。
原料抽出から化粧品製造においても
高活性維持する細胞再生原料を紹介
ヒトをはじめとする様々な生物種由来の有用タンパク質は、大腸菌などの微生物を宿主として生産される。
従来の一般的な成長因子は全て、生産する際にタンパク質が変形し、「不溶性」かつ「不活性沈殿体」(inclusion bodies〈封入体〉)の状態で製造され、「不溶性」については、製造時に凝集や分離が起こり、不安定な状態で溶けない物質が存在することが問題視されていた。
「不活性沈殿体」については、不活性の成長因子を活性型に変える「リフォールディング」と呼ばれる工程が必要となるが、この過程では完全に成長因子を活性することができないという欠点があった。
そこで、原料抽出技術の同社研究主管で成長因子研究の第一人者のドクター・シン氏の技術協力のもと、成長因子を生産する段階から活性させることで、精製過程を通じて100%活性型の高純度成長因子抽出が可能となった。(特許番号PCT/KR2005/003543)
これにより、同社が開発したEGF原料の活性度(IU値)は、1~1.2×10の7乗となり、従来の成長因子の活性度とは桁違いのIU値を達成したほか、微量の活性状態を人工的につくる「リフォールディング」が簡略化されたことで、原料自体の単価もこれまでの2/3弱の安価供給を実現している。
そして、水溶性で生産することにより、化粧品製造時に分離や凝集が起こりにくく、安定化することに成功した。(特許番号PCT/KR2007/006792)
また、高活性の成長因子の安定度を高めるため、最先端の「リポソームカプセレーション技術」により、高活性の成長因子を保護できることも大きな特長である。
リポソーム加工が施されていない状態では、乳化剤との結合時や酸性皮脂膜などによるタンパク質分解作用などによって変性が起こりやすい。
そのため、表皮細胞間を通るほどの小さな100nmのカプセルで保護することで、特許技術により抽出した高活性の成長因子(約2.5nm)が乳化剤と直接接触することが避けられ、成長因子を高活性のまま維持することが可能となる。
さらに、リポソーム化する際、一般的には温度が90℃以上の高温で製形する「microfluidizer法」が広く用いられる。これによって成長因子が変性し、活性が失われることがあるが、同社の最先端リポソームカプセレーション技術では、15℃以下の温度で製形する「controlled ultrasonication法」を採用し、高活性成長因子の変性が起こらない完全な活性を維持するリポソーム製形を実現した。
独自開発の「カプセルコラーゲン」と
「二重リポソームプラセンタ」も展示
セントラル・コーポレーションでは、成長因子のほかにも、ナノサイズ30~40nmのコラーゲンを60~120nmのリポソームカプセルで保護する「カプセルコラーゲン」に注力している。
一般の水溶性コラーゲンは、平均分子量が30万の高分子であるため、1%濃度の溶剤でも大きな粘性が起こり、コラーゲンの皮膚吸収率が低い。
そこで、バイオ転換を通じて分子量3000に低分子化し、5%濃度のカプセルコラーゲンにすることで、皮膚吸収率を大幅に改善させた。
また、コラーゲンとともに「プラセンタ」の原料研究にも注目したい。EGFやFGFなどの成長因子をより効率的に吸収させるため、皮膚内に「成長因子」培養エキスと同等の成分が必要となる。
プラセンタは、これに類似しており、分解しやすい性質を持つ馬由来のプラセンタに、肌のバリア機能による分解から保護する二重のリポソーム加工を施すことにより、肌への活性効果が得られる。
セントラル・コーポレーションは、今回の展示で「100%活性型 成長因子」「カプセルコラーゲン」「二重リポソームプラセンタ」の3つの原料のほか、幹細胞因子(SCF)の最新研究成果を紹介する。
従来のEGF原料を見直し、細胞再生化粧品で他社との差別化を図りたい企業にとって、収穫が期待できそうだ。
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