――現在の研究分野について教えてください。
村上美緒研究員 研究分野では、研究強化しているフラーレンの「角層正常化機能」を中心に行っていて、もう1つは特許や商標登録などの知的財産権の管理も担当している。
知財では、世界で唯一化粧品原料としてフラーレンを販売している企業として、特許と商標登録によって原料の価値を高めている。特許は当社の権利を保護する目的で取得・管理されているが、商標登録はフラーレンの技術を世界各国にアピールする際に必要で、他者の権利を侵害しないように配慮しつつ、自社の権利も守ることが目的だ。
――「角層正常化機能」を発見した経緯は。
村上 当社は、大学の先生方と共同で研究を行っている。フラーレンはもともと美白機能をポイントに研究、販売を始めた素材で、その後、抗シワ、育毛へと幅を広げていった。
今後新たな提案をする上では「攻めの成分」の側面ではなく、化粧品が本来持つべき機能として「肌を整える」などの「守りの成分」の側面も必要があると大学の先生からアドバイスをいただき、研究を開始し、「角層正常化機能」にたどり着いた。ここに至るまでに様々な切り口からアプローチしたので、実験に成功した時はとても嬉しかった。
また、フラーレンが、他の保湿成分では確認されていないメカニズムで保湿効果を得られることが確認されたのも、大きな成果だ。トランスグルタミナーゼに働きかけ、コーニファイドエンベロープを増やすことで保湿するこのメカニズムは、他の保湿成分との相乗効果も大いに期待できる。
――今後の課題と目標について教えてください。
村上 抗酸化機能が強みだが、まだ角層正常化メカニズムとの関連性について確かなデータが得られていないため、この点も含め角層正常化に関する実証データを増やしたい。今後は、いかに実績を重ね、成長させるかが重要だ。有益なデータを取りつつ、認知度も一層、向上させていきたい。
この記事は週刊粧業 2013年1月28日号 8ページ 掲載
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