長瀬産業、メラニン生成過程に作用するビタミンC誘導体を提案

C&T 2020年3月16日号 52ページ

2020年6月3日 11時00分

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 化学品・合成樹脂・電子材料・化粧品・健康食品などの輸出及び国内販売を行う化学系専門商社の長瀬産業では、グループ会社の林原が開発した「AA2G」(AA2Gは林原の登録商標)(医薬部外品名表示名称:L-アスコルビン酸 2-グルコシド)の提案を強化する。

 ビタミンC(アスコルビン酸)には抗酸化力があり、日やけによるシミ・ソバカスを予防することが知られていたが、熱や酸化に対し弱く、化粧品に配合すると処方が黄色く色づいてしまうことが課題とされていた。

 AA2Gは、ビタミンCに酵素技術によってグルコースを結合させることで、これらの課題を解決したビタミンCの誘導体だ。塗布したり体内に摂取したりすることで皮膚や体内の酵素の働きでビタミンCとグルコースに分解され、ビタミンCとしての効果を発揮する。



 1990年に林原がAA2Gの開発に成功し、1994年に医薬部外品の有効成分として「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ」 「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」効果が承認された。それ以来、国内のみならず海外を含め、数多くの化粧品に20年以上使用されてきた実績を持ち、安全性も高い。また、ECOCERT/COSMOS認証を取得している。

 今回の提案強化の背景として、国内での美白化粧品市場がインバウンド需要も取り込んできたことや、東アジア・東南アジアにおける美白化粧品市場の拡大が予測されていることが挙げられる。

 一方、欧米では美白というカテゴリーの市場は小さいものの、ビタミンC自体に対するイメージが良好なことに加えて、ビタミンCは美白用途以外にも抗酸化作用や皮膚細胞の機能調節作用を持つことから、同社では「マルチファンクショナルな原料」としてグローバルで展開していくことができると考えた。

 AA2Gには、メラニンの生成過程で発生するメラニン前駆体(ドーパキノン)を還元することでメラニンの生成を抑制する作用と、生成されたメラニンを還元して淡色化する作用が確認されており、メラニンができる前とできた後の両方に対して効果を持っている。

 メラニンの淡色化について、シミのある成人女性46人に対してAA2Gを配合したローションを朝晩2回、12週間にわたり連続塗布を行うというヒト試験を実施したところ、シミが濃い被験者も薄い被験者も、シミ部位の明度スコアが改善され、シミが薄くなる効果が確認された。ではシミの濃い被験者のシミを試験前後で比較し、薄くなった様子を確認できる。



 また、「マルチファンクショナルな原料」という切り口で提案していく効果として、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促進する作用、皮膚のターンオーバーを促進する作用、紫外線による細胞ダメージを抑制する作用が確認されている。

 ヒアルロン酸の生成促進作用に関して、AA2Gを添加した培地で培養した上皮細胞と、添加していない上皮細胞のヒアルロン酸量を比較した結果がに示される。AA2Gを添加することで、上皮細胞のヒアルロン酸の生成量が2倍近く上昇することが判明した。

 また、コラーゲンの産生促進についても、3次元皮膚モデルにAA2G水溶液を添加したところ、無添加よりも基底膜の主要構成成分であるⅣ型コラーゲンが増加することが確認された。

 これらの効果を踏まえて、長瀬産業では美白コンセプトだけでなく、エイジングケアやサンケア、アンチポリューションといったコンセプトに対してもAA2Gの提案強化を図る。



 現在同社では、当原料の幅広い商品への採用を目指して、多様な剤形に対応したアプリケーションの開発に注力している。

 AA2Gを配合した化粧品では増粘が困難とされてきたが、種々増粘剤の組み合わせを検討することで、高粘度で透明なジェル製剤を開発することに成功した(図)

 また、スキンケア志向のメークアップ商品の人気が高まっていることから、美白コンセプトのファンデーションなど、スキンケア以外の分野でも配合できるような処方を開発しているという。

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