イリス色彩研究所、元警察官がメイクボランティア団体を結成

カンタンに言うと

イリス色彩研究所、元警察官がメイクボランティア団体を結成

専門の色彩学活かし、地元・千葉で活動

 イリス色彩研究所 (千葉県松戸市) は、千葉県内で色彩学をもとにしたメイク講座やボランティア活動を実施している。

 代表の郡司美千子さんが同県でメイクボランティアを開始したのは、メイクボランティア団体「ハートフルメイクセラピー」を結成した2006年。カラーコーディネーターの資格をもつ郡司さんは、専門分野の色彩学をメイク講座に取り入れ、その人の個性を引き立てるカラーコーディネートで独自のメイク方法を実践している。

 活動を開始した当初は、訪問先を探すのに苦労したが、現在はセラピスト7人を抱え、高齢者や障害者施設にとどまらず、リハビリ病院や就労支援センターへと活動範囲を広げ、県内の計13カ施設を定期的に訪問している。

 郡司さんがメイクに深く関わるきっかけは、20代半ば、地元・千葉県警の警察官として独居老人宅を巡回する業務を担当していたときにまで遡る。

 訪問する度に、「化粧をし、玄関で正座して待っている女性がいた」。疑問を抱えた郡司さんに、女性は「あなたが来るからキレイにして待っているのよ」。郡司さんは「女性はいつまで経っても化粧やオシャレをするのか」と驚き、化粧にのめり込んでいった。

 個人でメイク講座を受講しながら、メイクボランティア団体「メンタルケアメーク21」(東京)で高齢者や障害者施設を回るボランティア活動を続けた。利用者の喜ぶ姿に魅了され、「地元で活動しよう」と決意する。

 活動への認知が広がる一方で、現在は「すべての依頼に応えられない」という歯がゆい事態に直面している。セラピストはボランティアであるがゆえに、個々人の活動には限界があるのが実情だ。

 このため、セラピストを養成するために公民館などが主催するメイクレッスンや講座を開催し、活動に賛同する受講生をセラピストとして迎え入れる取り組みも並行して強化している。講座とは別に、活動に関心を寄せる大学生や高校、小学生の訪問も積極的に受け入れている。

 ボランティア活動を始めて4年余り。郡司さんには、印象に残るエピソードがある。化粧をした経験のない90歳過ぎの女性が郡司さんのメイクに嬉し泣きし、女性の見違える姿に驚いた夫が体中から絞り出すように「おまえ、キレイだよ」と語りかけたシーンだ。

 郡司さんは、今年で62歳となった。「元気な限り、続けたい」と意欲が一向に衰えないのは、「逆に元気や喜びをいただける」 からだ。

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