大成建設、セミナーで工場リニューアルの成功事例を紹介

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大成建設、セミナーで工場リニューアルの成功事例を紹介

 一昨年より化粧品施設エンジニアリングを本格的に展開している大成建設は2010年11月11日、都内にて「第14回医薬品技術セミナー」を開催した。

 セミナーの第3部では、「製剤工場リニューアルを成功させる鍵はどこにあるのか」について、同社の天野貴司氏(エンジニアリング本部医薬品施設グループシニアエンジニア)が成功事例を紹介した。

 リニューアルにあたっては、「増産への対応」「GMPレベル改善」「老朽化対策」「耐震補強に伴う改修工事」「工場の統廃合、再配置に伴う大規模改修」「委受託対応、短工期での対応」「新築と改修との比較による選択」という中での依頼が多く、依頼先が重視するポイントは、「スケジュール」「イニシャルコスト」「ランニングコスト」「GMPレベル」「自動化レベル」「人為的ミスの削除」「既存資産活用」「工場寿命の延長」だという。そうした中で同社は、火、電気、水、振動、騒音、埃を「品質」と捉え、リニューアルを実施している。

 複数工場のリニューアル(生産体制の再構築)では、「計画段階での秘密保持徹底」「工場移転に伴う組織改変/人事異動の発生」「機器移設期間に伴う製品在庫備蓄」「機能移転後の早期立ち上げ」「生産拠点の分散化」を重視している。

 工場敷地内のリニューアル(再配置)では、老朽化した施設を解体後に新機能を構築するケースと、解体せずに耐震改修工事を伴うケースに分けられるが、両方とも工事期間中の製品在庫の備蓄が必要なほか、スクラップ&ビルドにおいては、工事が長期化し、複数のプロジェクトが混在するため、状況変化への対応スピードが要求されるという。

 工場棟内のリニューアル工事(改修)については、未装/未実装エリアを活用すれば新築に比べ短期間で立ち上げが可能だが、「生産を継続しながらの改修工事はリスクが高まるため、停止期間が必ず必要になる」(天野氏)という。

 天野氏は「工場棟内のリニューアル工事」における成功事例として、2007年に竣工した固形製剤工場(多品種マルチ生産量型の自動化工場)をあげた。当初、製剤1ライン包装2ライン実装であったのを、製剤3ライン包装4ライン実装へと拡張しつつ、全室に空調を実装するなど大規模な工事となったが、生産停止期間は月6日(毎週日曜+隔週土曜)のみで済んだという。

 「プロジェクトの目的が明確で、かつ目的意識を全員が共有し、達成のプロセスを入念に計画したことが奏功した。全体を通じてリスクヘッジを確実にし、コンセプトを貫き、プロジェクトを遂行することが何より重要である」(天野氏)

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