【週刊粧業2021年1月18日号9面にて掲載】 今から30年近く前の1992年、流通ジャーナル創刊30周年記念特集号の取材で、当時、東京 浜松町の芝パークビル(通称 軍艦ビル)にあったダイエー東京本部で中内㓛社長(当時)にインタビューした。 執務室の入口には、ダイエーが創業当時から使っていた歴代のレジスターがずらりと並べられて実に壮観だった。中内さんが自らポットで紙コップにコーヒーを入れてく...
【週刊粧業2021年1月11日号9面にて掲載】 イオングループの創始者、岡田卓也名誉会長が、日本チェーンストア協会の第2代会長だった1970年代後半、同協会が主催する香港視察団に同行取材する機会があった。 当時岡田氏は50代初めで実に精力的に現地を見て回った。眼光が鋭く非常に落ち着いた物腰だったが近寄りがたい雰囲気もあった。 ジャスコ(現イオン)の前身は、三重県四日市市の呉服店「岡田屋」である。
【週刊粧業2020年12月14日号6面にて掲載】 東京都国立市を拠点として、関東、山梨、山陰など1都7県に50店を展開し、売上高も520億円を超えるスーパーマーケットが「さえきセルバホールディングス」である。同社は近い将来、売上高1000億円、経常利益率3%を達成して株式公開をめざしている。 同社の創業は1979年11月、国立市内の僅か16坪の青果店がそのスタートである。創業者の佐伯行彦社長...
【週刊粧業2020年11月30日号5面にて掲載】 日本に本格的なドラッグストア時代を到来させたのは、「ハックイシダ」(現ウエルシア薬局)の石田健二社長(当時)である。 同社は1979年(昭和54年)3月、横浜市戸塚区に当時としては破天荒だった売場面積400坪の大型ドラッグストア「ハックファミリーセンター戸塚店」をオープンした。これが日本における本格的なドラッグストアの第1号店である。 実は同...
【週刊粧業2020年11月23日号6面にて掲載】 日本のスーパーマーケット第1号は、1953年(昭和28年)、東京 青山にオープンした「紀ノ国屋 青山店」である。なお紀ノ國屋は現在、JR東日本の完全子会社となっており、主として駅ビル、駅ナカに小型店を次々と出店している。 しかし、スーパーマーケットの中核商品である生鮮食品の加工処理を行う日本独自のバックヤードシステムを開発したのは「関西スーパ...
【週刊粧業2020年11月16日号4面にて掲載】 この連載もそろそろ終盤に近付いてきた。この辺でちょっと一休みして、取材に関わるエピソードなどをいくつか紹介したい。 お気づきの読者もおられると思うが、海外主要小売業の経営トップとも数多く交流してきた。とくに欧米の場合は、長年の友人である吉川新氏に通訳をお願いしてきた。 彼は長崎県五島列島の出身で、上智大学の文学部を卒業して、フランスを中心に観...
【週刊粧業2020年11月9日号4面にて掲載】 「あらた」は2002年4月、「ダイカ」「伊藤伊」「サンビック」の3社が経営統合して、株式移転方式による共同持株会社として設立された。 設立から2017年3月期までの15年間は、「あらたファーストステージ」として、企業体質の整備を柱とした経営基盤の強化に取り組んできた。 その最後の10年間社長として基盤強化の総仕上げを行ったのが畑中伸介(はたなか...
【週刊粧業2020年11月2日号4面にて掲載】 日本のスーパーマーケットにおける生鮮食品の加工処理に関わるバックヤードシステムを開発したのは「関西スーパーマーケット」である。 創業者の故 北野祐次名誉会長が1970年代初め、製造業のノウハウを生鮮の加工処理に応用して、作業場のレイアウト、什器など全てを自ら考案した。 そのノウハウを同社は惜しげもなく同業他社に開示した。その結果、この関西スーパ...
【週刊粧業2020年10月26日号6面にて掲載】 PALTACは2019年11月、同社17番目となる最大規模の大型物流センター「RDC埼玉」(埼玉県北葛飾郡杉戸町)を本格稼働させた。 AIやロボット技術などの最新テクノロジーを随所に導入した次世代型の新物流モデルである。敷地面積2万坪、延床面積1万3000坪の規模で、総投資額は230億円、年間出荷能力は1200億円を見込んでいる。 なお同社の...
【週刊粧業2020年10月12日号6面にて掲載】 愛媛県松山市を拠点とする中四国有数のチェーンストア「フジ」は2018年10月、「イオン」と資本業務提携した。 この提携によりイオンは、フジの株式15%を取得する一方、フジは70億円を出資し、イオングループのスーパーマーケット、「マックスバリュ西日本」の株式の一部をイオンから取得した。 最大のねらいは、西日本地区で売上高1兆円を超える最大のスー...
【週刊粧業2020年10月5日号5面にて掲載】 サッポロドラッグストアー(現サツドラホールディングス)は2011年5月、初めての離島への出店となる「利尻店」をオープンした。利尻島西部の利尻町沓形(くつがた)に開設したもので、人口僅か5500人という小商圏への出店である。 私は開店前日から現地に入り、開店当日のテープカットから取材した。当日は天候にも恵まれ、背景に見事な利尻富士がきれいに見えた...
【週刊粧業2020年9月21日号6面にて掲載】 日本のスーパーマーケットチェーンにとって、生鮮や惣菜をセンターで加工するか、インストアで加工するかは長年の課題である。 最近では、センターにおける加工技術や鮮度管理技術の向上に加え、人手不足の深刻化もあってセンター加工の比重が高くなっている。 だが、競争がとくに激しいエリアなどでは、インストア加工による鮮度での差別化も重要になっている。 東京、...
【週刊粧業2020年9月14日号6面にて掲載】 アメリカ オハイオ州デイトンに有名なグルメ スーパーマーケット、「ドロシー レーン マーケット」がある。同社は現在、デイトンエリアに、オークウッド店、ワシントン スクエア店、スプリングボロ店の3店を展開している。年商は約87億円の規模である。 同社のスタートは、デイトン市南部 ファーヒル アベニューのドロシー レーンに1948年、カルビン D....
【週刊粧業2020年8月31日号14面にて掲載】 東北6県で300店近いドラッグストアを展開する「薬王堂ホールディングス」は、チェーンストア理論の原理原則を徹底して追求する優等生型企業と言える。売上高も2020年2月期で念願の1000億円に到達する見込みだ。 薬王堂の店舗コンセプトは、「小商圏 バラエティ型 コンビニエンス ドラッグストア」である。 人口5000人の小商圏に、商品構成、レイア...
【週刊粧業2020年8月10日号8面にて掲載】 平和堂の店名は、夏原平和会長の名前に由来する。夏原会長は私とほぼ同世代の1944年生まれで、創業者である父、夏原平次郎氏が長男誕生に際して「平和に生きて欲しい」との思いで「平和」(ひらかず)と名付けた。 同社の創業は1957年で、「靴とカバンの店 平和堂」がスタートである。2017年には創業60周年を迎え、総額40億円を投じた新本部ビルを完成さ...
【週刊粧業2020年8月3日号4面にて掲載】 シアトルを中心に68店を展開している「バーテル ドラッグ」は、アメリカで最も歴史のある家族経営のドラッグストアチェーンである。あのウォルグリーンの創業が1901年だが、同社はそれよりも旧い1890年である。 今年創業130年の老舗ドラッグストアである。 20年近く前、シアトル南部にある同社本部で、ジョージ D.バーテル社長兼CEOにインタビューし...
【週刊粧業2020年7月27日号5面にて掲載】 「ココカラファイン」と「マツモトキヨシホールディングス」は2020年1月、当初計画の通り経営統合した。これにより、美と健康を中心とする日本最大のドラッグストアグループが誕生した。 ココカラファインの塚本厚志社長は現在57歳と若い。彼は、同社の前身である「セイジョー」の一般社員からのたたき上げで、37歳で取締役営業部長、40歳で社長に就任するとい...
【週刊粧業2020年7月13日号56面にて掲載】 阪急オアシスの主力業態である「高質食品専門館」の展開がスタートしたのが2009年である。同年8月に第1号となる「千里中央店」(大阪府豊中市)が開設された。高質食品専門館のコンセプトを固めるために専門のプロジェクトチームを編成して、2年間に渡り国内外の有力スーパーマーケットを視察し、「専門性」「ライブ感」、「情報発信」の3つをキーワードとする新...
【週刊粧業2020年6月29日号12面にて掲載】 ウォルグリーンに次ぐ全米第2位のドラッグストア、「CVS ファーマシー」(現CVS ヘルス)の本部があるアメリカ東部 ロードアイランド州のウーンソケットを2000年代初めに訪れ、デビッドB.リカード副社長兼CFO(チーフ フィナンシャル オフィサー)にインタビューした。管理部門を総括するリカード副社長は、穏やかな風貌で親しみやすく、私の質問に...
【週刊粧業2020年6月22日号6面にて掲載】 コクミンの1号店は、創業者である絹巻薫氏によって1935年(昭和10年)4月、大阪市住之江区粉浜に開業された「粉浜コクミン薬局」である。日本のドラッグストア業界にあって同社は、最も旧い歴史を持つ企業の一つである。 流通ジャーナルでは、同社が創業50周年にあたる1985年にコクミンの特集号を企画し、私が当時会長だった絹巻薫氏にインタビューした。 ...
【週刊粧業2020年6月15日号14面にて掲載】 ヤオコーは2020年3月期、単体で31期連続の増収増益をめざしている。これだけ長期間、安定した収益力を維持し続けているスーパーマーケットは同社以外にはない。その大きな原動力となっているのが、パート(同社ではパートナーと呼ぶ)を中心とする意欲的な業務改善努力である。 ヤオコーでは10年以上前から、全社的な「TQC(トータル クオリティ コントロ...
【週刊粧業2020年6月1日号4面にて掲載】 いまから15年以上前、シカゴ北部郊外のディアフィールドにある「ウォルグリーン」(現ウォルグリーン ブーツ アライアンス、WBA)の本部を訪れ、当時 経営戦略立案を担当していたジョー マークリオ部長にインタビューした。 訪問した日は雨上がりで、駐車場から本部までの道は一部舗装されていなかったため、靴が泥だらけになったことを覚えている。建物も非常に簡...
【週刊粧業2020年5月25日号4面にて掲載】 サンドラッグと長崎県五島列島とは深い絆で結ばれている。 才津達郎会長は1966年、長崎県立五島高校を卒業して集団就職で上京し、新宿で薬局を経営する「アメミヤ商事」で働き始めた。そこで商売を一から学んだ。 7年後に縁あって多田幸正氏(故人 名誉会長)が1957年に創業した「サンドラッグ」に入社した。3年後には取締役営業部長に抜擢され、本格的なドラ...
【週刊粧業2020年5月18日号11面にて掲載】 カスミは現在、「フードスクエア」「フードマーケット」「フード オフ ストッカー」の3業態を展開している。いずれも非食品の品揃えを最小限に抑えた食品に特化したスーパーマーケットである。 フードスクエアは、カテゴリー強化型の拠点店である。フードマーケットは標準店で、フードオフストッカーは、既存店を業態転換させた価格訴求型である。この3業態体制を確...
【週刊粧業2020年4月13日号31面にて掲載】 15年ほど前、ロンドン郊外のチェサントにあるイギリス最大の小売業「テスコ」の本部(テスコ ハウス)で、デビッド リード副会長に2回ほどインタビューした。 非常に穏やかな紳士で、私の質問に丁寧に答えてくれた。まだ日本やアメリカに進出する前だったが、イギリス国内で展開する5つの業態や、力を入れているネットスーパー事業などについて詳しく語ってくれた...
【週刊粧業2020年4月6日号10面にて掲載】 今から20年近く前、スギ薬局(現スギホールディングス)がまだ株式を公開する前だったが、杉浦広一社長(現会長)と妻の昭子副社長(現相談役)のお二人が上京され、都内の喫茶店でお会いした。当時の同社はまだ成長期に入ったばかりの時代だった。 杉浦夫妻は私に、「加藤さん、人事制度や社員教育などに関して定評のある衣料品チェーンの『しまむら』の藤原秀次郎社長...
【週刊粧業2020年3月30日号6面にて掲載】 作家の椎名誠さんは私と同世代で、お互い、流通専門紙の記者ということもあって親しく交流していた。 彼は、デパートニューズ社(現ストアーズ社)が発行する月刊誌「ストアーズレポート」の編集主任で、私は流通ジャーナルの編集責任者だった。 どちらから言い出したという訳でもなくごく自然な形で、お互いの新年号に、流通ジャーナルには椎名さんがデパート業界の展望...
【週刊粧業2020年3月23日号12面にて掲載】 サッカーのワールドカップを日本と韓国が同時開催した2002年、マルエツの吉野平八郎社長をはじめ同社幹部6名をヨーロッパの流通視察にお連れした。後に社長となる経営企画担当の高橋惠三氏もこの中にいた。 「加藤さん、一度我々をヨーロッパにご案内願えませんか。とくにイギリスのテスコに興味をもっているんですよ」 吉野さんのこの要請で、テスコを中心とした...
【週刊粧業2020年3月16日号6面にて掲載】 今から20年余り前、週刊粧業の創刊45周年記念号の取材でオハイオ州シンシナチにある「プロクター&ギャンブル(P&G)」本社を訪れた。同市に本部を置く巨大企業としては、同社のほか全米最大のスーパーマーケット、「クローガー」がある。なかでもP&G本社はまさしく一つの町と言えるほど巨大だった。 快くインタビューに応じてくれたシ...
【週刊粧業2020年3月9日号4面にて掲載】 2018年4月の診療報酬改訂は、薬価の大幅引き下げや、大手調剤薬局に向けた点数引き下げなど調剤薬局最大手のアインホールディングスにとっても非常に厳しいものだった。 このため2019年4月期決算は、M&Aを含めた積極的な出店により増収となったが、経費率は横這いを維持したものの荒利益率が大幅に低下したことなどで2桁の減益を余儀なくされた。 大...
加藤英夫
週刊粧業 顧問(週刊粧業 流通ジャーナル 前会長)
私が週刊粧業の子会社「流通ジャーナル」に入社したのは今からちょうど50年前の昭和44年(1969年)6月だった。この間、国内はもちろんアメリカ・ヨーロッパ・アジアにも頻繁に足を運び、経営トップと膝を交えて語り合ってきた。これまでの国内外の小売経営トップとの交流の中で私なりに感じた彼らの経営に対する真摯な考え方やその生きざまを連載の形で紹介したい。
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