【週刊粧業2018年08月27日号4面にて掲載】 「平成」も残すところ半年ほどとなりましたが、振り返ると地震や津波、台風、豪雨など自然災害が非常に多かったように感じます。 さて、そんな時代のなかで近年(再)注目を浴びているのが「ドライシャンプー」です。ドライシャンプーとは、水や湯を使わず、洗い流す必要のないシャンプーを指します。 その歴史は古く、大正末の「髪洗い粉」に遡ることができます。当時...
【週刊粧業2018年05月21日号12面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは、『J₋Beauty』(以下、JB)です。 『JB』とは、日本の化粧品や日本人女性の美容習慣などを表す言葉として、主に海外で使用されています。 もともとはユニークかつオリジナリティに溢れる韓国の化粧品に対する人気を示す言葉として『K₋Beauty』(以下、KB)が定着していましたが、近年は海外でも日本の化粧品に対す...
【週刊粧業2018年04月23日号4面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは『スモールマス』です。 スモールマスとは花王が提唱する概念・用語で、「マス市場よりも小さいが一定の規模を持つ市場」を指します。より具体的には、同じ嗜好性を持つ個と個が主にデジタルでつながり形成している小さな市場です。 これは、市場を細分化しないですべての消費者を対象に、大量生産・大量販売・大量プロモーションを展開する...
【週刊粧業2018年03月26日号4面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは『パーソナルコスメ』です。 パーソナルコスメとは、狭義では自分だけのために作られた専用の化粧品を指します。誰しも「自分に合った化粧品を使いたい」と思うものですが、その意味でパーソナルコスメは理想かつ究極の化粧品といえるかもしれません。 特に近年は、化粧品の種類が多様化する一方で、クチコミサイトやSNSなどでさまざまな...
【週刊粧業2018年02月12日号12面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは『PB化粧品』です。■PBとは 『PB(プライベートブランド)』とは、小売業者や流通業者が企画販売する製品群を指します。 主なところでは、イオンの「トップバリュ」やマツモトキヨシの「マツキヨ」などがあり、いまや消費者にすっかり根付いています。 化粧品市場においては、2000年代半ば頃から急速に増え始め、現在も増加の...
【週刊粧業2017年12月11日号11面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは『ミレニアル世代』です。■ミレニアル世代とは ミレニアル世代とは一般に、1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代、または2000年代に成人・社会人になる世代を指します。同世代は世界人口の約3割を占め、世代別では最大ボリュームを形成していることから、今後の有力な市場として注目を浴びています。 同世代の特徴の...
【週刊粧業2017年11月13日号6面にて掲載】 今回取り上げるテーマは『機能性表示食品』制度です。■制度の概要 同制度は2015年4月に施行された制度で、消費者の自主的かつ合理的な商品選択の機会確保の促進を目的としています。特定保健用食品(トクホ)のように、届出された商品の安全性や健康効果を国が審査するわけではなく、あくまで事業者の責任において、科学的根拠に基づいて機能性を表示することがで...
【週刊粧業2017年7月17日号5面にて掲載】 今回取り上げるテーマは『ふきとり化粧水』です。ふきとり化粧水とは、主に化粧コットンを併用し、通常のクレンジングや洗顔料では落ちにくい古い角質や毛穴の汚れをふきとって除去するアイテムを指します。 弊社の調査によれば、2016年度のふきとり化粧水の市場規模は前年度比4.7%増の178億円となっています。同市場は、化粧水全体の6%程度を占めるにすぎま...
【週刊粧業2017年06月12日号5面にて掲載】 今回は、化粧品企業の『PR(プレスリリース)』活動について考えてみたいと思います。 『PR』は「広告」とは異なり、新聞や雑誌などの各種媒体に「記事」や「ニュース」として取り上げてもらえるように取り組むことを指します。その最大のメリットは、広告であれば莫大にかかる費用が無料になること。また、広告よりも読者の目に留まりやすく、信頼性が高い点も魅力...
【週刊粧業2017年05月15日号5面にて掲載】 今回は、いまやスキンケアの1アイテムとして定着した『オールインワンコスメ』について取り上げます。 オールインワンコスメとは一般に、ひとつで化粧水や美容液、クリームなどの3つ以上の機能を備え、洗顔の後に使用するだけで基本的な手入れが完了することを謳ったアイテムを指します。 概して、複数の手順をワンステップで完了できるという簡便性や時短性、複数の...
【週刊粧業2017年04月10日号5面にて掲載】 今回は、昨年からSNSを中心に徐々に話題になっている『ノープー』についてご紹介します。 「ノープー」とは「ノー・シャンプー」の略語として、日本ロレアルが2016年9月に発売した新製品「エクストラオーディナリーオイル ラ クレム ラヴォン」で打ち出したものです。 もともと「ノープー」は、海外セレブの間でシャンプーをしない洗髪として話題となり、日...
【週刊粧業2017年3月13日号4面にて掲載】 今回取り上げるキーワードは『女性ホルモン』です。 加齢による女性ホルモンの減少や、不規則な生活やストレスなどによるホルモンバランスの乱れが、動悸や発汗、ほてり、疲労、イライラなど心身に様々なトラブルを引き起こすことはよく知られています。 中でも、月経周期が不規則になる頃から閉経までの更年期(45~55歳前後)においては、女性ホルモン量が急減する...
【週刊粧業2017年2月13日号11面にて掲載】 近年、医療福祉分野などで『化粧療法』に対する関心が高まっています。 化粧療法とは、「ハンドケア、フェイシャルケア、メイクアップなどのスキンシップを通してリラックスしながら若さや美しさを取り戻し、自信や満足感、自己肯定感などを手にすることを目的とした生理的・心理的ケア」(日本化粧療法協会)を指します。 その具体的な効果として、化粧療法の普及に長...
【週刊粧業2017年01月16日号11面にて掲載】 前回、化粧品企業のR&Dにおいて、感性や情緒的価値に関する研究が活発になっていることをご紹介しました。今回のコラムではそれと少し関連して、近年R&D部門と消費者とのコミュニケーションが活発化している点について取り上げたいと思います。■技術か、消費者か? 一般に商品開発は、企業の意向や技術を優先する『プロダクトアウト型』と、消...
【週刊粧業2016年12月12日号10面にて掲載】 ここ数年、資生堂や花王、コーセー、ファンケルなどの大手化粧品企業では、自社の研究開発部門(R&D)に積極的に投資する動きが目立っています。 その背景には、国内の化粧品市場が成熟化して伸び悩むとともに、異業種企業をはじめ他社との競争がいっそう激化していることが挙げられます。このため主要各社においては、研究開発力を強化し、他社と差別化さ...
【週刊粧業2016年11月14日号11面にて掲載】 近年、テレビや雑誌などで『炭酸』が美容や健康に良いということが取り上げられ、化粧品をはじめ炭酸訴求商品が増えています。 ■炭酸の魅力 そもそも炭酸とは、二酸化炭素が水に溶けた状態を指します。炭酸は皮膚に吸収されやすく、血中濃度が上がると血管を拡張する働きがあります。 これにより血行が促進され、肌のターンオーバーの活性化につながるため、老廃物...
【週刊粧業2016年10月10日号4面にて掲載】 近頃、季節はすっかり秋めいており、美容雑誌などでは「睡眠の秋」として『睡眠美容』の特集が増えています。■睡眠時間の短縮化 現在の総務省が5年ごとに行っている『社会生活基本調査』によれば、女性の睡眠時間は年々減少傾向にあり、2011年までの35年間で30分減少しています。その背景としては、仕事や家事、趣味に加えて、就寝前のパソコンや携帯電話・ス...
【週刊粧業2016年09月12日号4面にて掲載】 今回のコラムでは、化粧品における『鮮度』について考えてみたいと思います。 『鮮度』といえば、業界は違いますが真っ先に思い浮かべられるのがアサヒビールの「スーパードライ」です。同社は「鮮度は品質である」という考えのもと、生産~物流~営業までの全部門が連携した鮮度向上活動『フレッシュマネジメント』に取り組み、「スーパードライ」を一躍トップブランド...
【週刊粧業2016年08月08日号5面にて掲載】 ヘアカラー市場の伸び悩みが指摘されて久しいですが、2015年度のヘアカラートリートメント市場は前年度比7%増となっており、好調な推移が続いています。(弊社調べ)■人気の背景 従来のヘアカラーは「髪が痛む」や「面倒」、「刺激臭」といったマイナスイメージを持たれがちでしたが、カラートリートメントはこれらの不満点の解消を前面に打ち出し、①髪や頭皮に...
【週刊粧業2016年07月18日号5面にて掲載】 2015年度に日本に訪れた外国人の数は前年度比45%増となり、初めて2000万人を突破しました。化粧品市場においてもインバウンドに対する関心が高まっていますが、まだまだゴールデンルートに需要が集中し、地方都市への誘導が課題に挙げられています。こうしたなか近年(再)注目を浴びているのが、『ご当地コスメ』です。 ご当地コスメは、狭義には「①地域の...
【週刊粧業2016年6月13日号4面にて掲載】 近年、『皮膚常在菌(美肌菌)』という言葉がテレビや雑誌で紹介される機会が増えてきました。 美肌菌とは皮膚常在菌の一種「表皮ブドウ球菌」(肌の潤いや弱酸性を保つのに必要なグリセリンや有機酸を産生する菌)のことで、美肌はもちろんのこと、アトピー性皮膚炎やニキビ治療にもとても深い関わりがあります。そんな皮膚常在菌(美肌菌)に着目したビジネスが徐々に注...
【週刊粧業2016年05月16日号5面にて掲載】 女性用育毛剤(育毛ケア)市場は2000年代以降、高齢化や女性の社会進出とも相まって順調な推移が続いています。■通販の活性化 その背景として挙げられるのが、通販チャネルの活性化です。火付け役となったのははぴねすくらぶの「柑気楼」ですが、以降多くの企業が通販で女性用育毛剤を展開するようになりました。 では、なぜ通販なのでしょうか? よく指摘される...
【週刊粧業2016年4月11日号5面にて掲載】 敏感肌コスメ市場はおよそ600億円。化粧品市場全体からみれば規模は小さいですが、直近の3年間では毎年2%前後の堅調な推移が続いています。■敏感肌のターゲット そもそも化粧品業界において『敏感肌』の確立された定義はありませんが、概して生活の乱れやストレス、季節の変わり目などで不調になる一時的な肌を指します(アトピーやアレルギー体質を含むこともあり...
【週刊粧業2016年3月14日号5面にて掲載】 今回取り上げるテーマは、いま化粧品市場で最も旬といえる『オイルコスメ』です。■本格的なブーム到来 かつてオイルといえば、「べたつきそう」「重そう」「ニビキになりやすそう」といったイメージがあり、敬遠する女性が少なくありませんでした。しかし近年、オイルの精製技術が高度化したことにより、使用感は一段と向上し、オイルを普段のお手入れに取り入れる女性が...
【週刊粧業2016年2月8日号12面にて掲載】 最近よくみかけるのが、化粧品企業と化粧品を本業としない異業種企業(食品や家電、ホテルなど)とのコラボです。 一口に『異業種コラボ』といっても、共同開発と共同販促ではその目的もかかるコストも違いますし、その連携度合いもゆるやかなものから契約書を交わすものまで多種多様です。 異業種コラボの主な目的としては、①顧客接点を増やす、②自社の強みを補完する...
【週刊粧業2016年1月11日号5面にて掲載】 美白市場はここ数年2100億円強で推移しており(弊社調べ)、アンチエイジング市場とともにスキンケアの二大市場を形成しています。今回はそんな美白市場のトレンドを読み解くためのキーワードとして、『点×面』をご紹介します。■点から面へ 従来、美白といえばシミのない「白肌」を指しました。1990年代から2000年代にかけて、カモミラET(花王)や4MS...
【週刊粧業2015年12月号にて掲載】 『レインボー消費』という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を含む 性的マイノリティによる商品・サービスの消費を表す言葉として、 電通が名付けたものです。もう少し詳しく紹介する前に、まずLGBT層を巡る最近の大きな出来事について触れておきましょう。 ■LGBT公認の動き 201...
【週刊粧業2015年11月19日号4面にて掲載】 今回は、近年注目を集めている『母娘消費』を取り上げたいと思います。母娘消費は1990年代半ばより団塊世代と団塊ジュニア世代の関係性を指す言葉として使われるようになりましたが、現在は概して40~60代の母とその娘が共にする幅広い消費を指し、『仲良し消費』や『絆消費』といった言葉で表されることもあります。■背景と特徴 母娘消費の背景にあるのは、娘...
【週刊粧業2015年10月12日号5面にて掲載】 これから毎月1回、『化粧品トレンドを読み解くキーワード』と題しまして、今後の商品開発や販売戦略の参考にしていただけるようなキーワードをご紹介できればと思います。 第1回は、新聞やテレビ等で毎日のように見聞きするあのフレーズ、『○○部門・売上№1』です。 『○○』に入る商品カテゴリー(市場)は少し探しただけでも、『美白美容液』(資生堂)、『ニキ...
松本 竜馬
TPCマーケティングリサーチ(株)マーケティングマネージャー
大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。社会学(ジェンダー/セクシュアリティ論)を専攻した後、マーケティング調査や化粧品・美容業界に興味を持ち、2007年に総合企画センター大阪に入社。以来、一貫して化粧品・美容領域に特化した市場調査や消費者調査を多数手掛けているほか、化粧品企業や広告代理店などからのマーケティング相談への支援も行っている。
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