【週刊粧業2021年5月24日号5面にて掲載】 前々からこのコラムでも執筆していることだが、お客様の年代と商品開発や販売促進スタッフの年代に大きなギャップがある場合、時々「おやっ!」と思うようなことが起こる。 例えば、私のようなシニア世代にはこの世代だからこそ感じる肌悩みが出てくる。若いころには全く自覚していなかった、ほうれい線の出現に驚いたり、時にはやたらに瞼が重く感じたり、目の周りが緩ん...
【週刊粧業2021年4月26日号10面にて掲載】 すでに一巡したかのように思っていたが、今日でも通販化粧品業界には続々と新規企業が参入している。 別業種でブランド力や技術力がある大企業と、規模は小さいがアイディアで勝負する中小企業の2つに分けられるが、最近の傾向として後者の中小企業が多くなっているようだ。 このような中小企業の特徴は、最初の商品は「単品リピート通販」を狙って、Webからお客様...
【週刊粧業2021年3月29日号4面にて掲載】 通常は化粧品通販のお客様にお話を聞く機会が多いが、今回は久々にフェイシャルサロンを愛用しているお客様のお話を聞いた。 コロナ禍の自粛ムードの中で、サロンに通う回数も減っており、閉鎖したサロンも多いと聞いている。そんな中でも、定期的にサロンに通って施術をしてもらうことが、「至福の時間だ!」というサロンのロイヤルユーザー様たちのお話だ。 ほとんどの...
【週刊粧業2021年2月15日号4面にて掲載】 個人的感想だが、私にとってコロナ禍の中で数少ない「良かったこと」は、自分を振り返る時間が多くなったことだ。 そして普段はあまり考えることが少なかった「自分にとって、本当に大切なコトやモノは何か?」を改めて考えることができたことはとても有意義だった。 これはたぶん私だけではなく、多くの人が同じような時間の過ごし方を経験したのではないかと思う。 人...
【週刊粧業2021年1月11日号8面にて掲載】 コロナ禍になって一番変わったことは何かと言えば、外出とか、買い物とか、取り急ぎすぐに必要でないもの、“不要不急の行動”を止めたことではないかと思う。 しかも3月~4月の緊急事態宣言当時は、「ある程度の期間を我慢すればよい」と考えて自粛生活に入ったので、まだ心のゆとりがあった。 コロナ禍の生活も長く続くと、いろいろほころびも出てくる。緊急事態宣言...
【週刊粧業2020年11月16日号5面にて掲載】 化粧品会社の半期決算などが発表され始めた。もともと今年はどこも厳しい決算になることは予測されているので、あまり驚きもない。 旅行関連業界や百貨店業界、レストランなどの飲食関連業界などに比較すると、まだ救われる。とは言え、改めてシビアな数字を突き付けられると「この先化粧品業界はどうなるのか?」少し不安になる。 化粧品の中でも、やはり落ち込みが激...
【週刊粧業2020年10月26日号5面にて掲載】 コロナ禍が続いており感染者も毎日多数発表されている。しかし経済活動は止めるわけにはいかないという訳で、多くの会社が様々な感染予防対策を講じながら、通常の業務を続けているようだ。 弊社も同様にしばらく自粛していた業務を、何とか工夫してコロナ禍前と同じように再開した。その中の1つがお客様のグループインタビュー。 先日久しぶりにWebでのお客様グル...
【週刊粧業2020年9月7日号5面にて掲載】 我社では新しい得意先様の仕事をスタートする前に、全社員で商品の試用モニターを実施させてもらっている。創業以来の習慣と言ってもよい。 30~50代まで20名弱の人数なので、少人数の定性調査という訳だ。ただし社員はほぼ全員が、日常的に化粧品の仕事をしておりコスメ検定合格者だ。様々な化粧品の使用経験も多いため、商品に関しては少々辛口コメントが多くなる。...
【週刊粧業2020年7月20日号2面にて掲載】 今回のコロナ禍では多くの店舗が休業要請を受けた。店舗の武器とも言える「接客」ができなくなり、どのような対策で「売り上げを維持できるか?」を試された期間でもあったように思う。 一部の店舗では、アウトコールや動画配信、Webカウンセリングなど、通販の販売手法を取り入れて購入につなげ、配送で対応したらしい。 休業要請も徐々に解除されているが、現在でも...
【週刊粧業2020年05月25日号5面にて掲載】 東日本大震災の後にも感じたことだが、今回のような緊急事態に陥ると「化粧品で何ができるか?」と考えてしまう。新型コロナウイルス感染の緊急事態は、当時よりもはるかに大きくグローバルで発生しており、思考停止状態になってしまいそうなのは私だけではないと思う。 現実に私がお手伝いしている通販化粧品のメーカーには、「こんな時に化粧品を売るなんて」というお...
【週刊粧業2020年4月06日号11面にて掲載】 通常多くの化粧品ブランドは立ち上げの際、ターゲットやコンセプトを設定する。「買っていただくお客様とニーズへの対応」を決めるのは当たり前のことだ。しかし、ターゲットを「絞る」となると少し二の足を踏む。 「多くのお客様のニーズがあるのに、わざわざ絞り込んで狭くする必要があるのか?」「こちらで限定してしまうのは不利ではないか?」そんな意見も少なくな...
【週刊粧業2020年03月16日号5面にて掲載】 「もっともっとこだわりのある商品を作らないと、なかなか他社との差別化は難しい」。 いつも話している言葉だが、ではどこに「こだわり」を求めるかというと、なかなか明確に回答できないことがもどかしい。 化粧品の商品開発は、原料の開発から考えるととても長い時間を要する。原料を探しつつ、お客様の悩みやニーズにどのように寄り添うか、両方を満足させなくては...
【週刊粧業2020年01月27日号6面にて掲載】 化粧品業界に異業種からの参入組が目立つようになったのは、1990年代に酒や食品メーカーが参入してきた頃だったように思う。当時、そういう会社から発売された化粧品は、本業で培った技術で開発された独自の美容成分を訴求していた。 その後も新規参入組は後を絶たないが、最近は少し様子が違う。そもそも独自成分があって参入しているわけではないので、原料や成分...
【週刊粧業2019年12月9日号11面にて掲載】 前回取り上げたロングセラー化粧品は、幅広い年代から支持されることが一つの特徴であったが、今回はもっとターゲットを絞って「世代」にとことん寄り添う化粧品について考えてみたい。 年齢と共に変わる肌質や肌悩みに着目した化粧品は、すでに多くの化粧品会社から発売されているが、もっとターゲット世代を明確にした化粧品があってもよいのではないかと思う。 世代...
【週刊粧業2019年10月28日号11面にて掲載】 毎月あふれるほど多くの新商品が発売され、消えてゆく時代に、長年お客様に愛され、売れ続けているロングセラー化粧品がある。 最先端の技術や進化を華々しくアピールする化粧品が注目される中、発売当初とほとんど変わらない姿で信頼を保ち、かつ20~30年と長期にわたって人気を維持している。このような商品は他の化粧品と何が違うのか。ロングセラー化粧品がど...
【週刊粧業2019年9月16日号5面にて掲載】 私は常々、お客様参加型のブランドづくりを提唱してきた。お客様の声を聞き、アンケートをし、モニターや座談会に参加してもらう、つまり「お客様サロン」のようなメーカーとお客様、またはお客様同士の交流の場を作ることが、ファンづくり、またロイヤルユーザー育成に欠かせないと考えるからだ。 その参加型の究極の形は、お客様と一緒に商品を作ることではないかと思う...
【週刊粧業2019年8月26日号6面にて掲載】 ここ数年「〇〇成分を高配合」や「△△技術採用」といった成分や技術ばかりをアピールした化粧品の広告が目について仕方ない。特に通販化粧品はそれが多いような気がする。 技術研究の成果を熱心に語られても、理系でない私には、どんなお客様に向けてどんな幸せを提供してくれる化粧品なのかが一向に伝わってこない。まるで技術と成分しか語ることがない化粧品のようだ。...
【週刊粧業2019年7月15日号5面にて掲載】 最近たて続けに、極めて限定的なお客様をターゲット層に持つ化粧品会社の案件を手掛けている。何が『限定的』なのか?と言えば、一方の会社はテクスチャーがかなりユニークで、いわゆるコモディティ型の化粧品に慣れた人は、手に取った瞬間に「えっ!」とびっくりする。顔にそのままつけるのはちょっと躊躇するほどだ。 もう一方の会社の製品は、お手入れにとても時間がか...
【週刊粧業2019年5月20日号5面にて掲載】 あるヘアケアメーカーの株主総会で、配布されたパンフレットに記載されていた言葉がとても印象に残った。会社の活動を表すキーワード集の中に「モノを売るな、コンセプトを売れ」とあった。私は思わず「これだ」と膝をたたいてしまった。同社の業績が快進撃を続けている理由の一端が、よくわかった気がした。 実は弊社で毎月のように行っているお客様へのインタビューでも...
【週刊粧業2019年3月11日号4面にて掲載】 最近、お客様のグループインタビューでお話を聞いていると、通信販売で化粧品を購入している人でも、肌診断やメイク体験イベントなどに対する参加意欲がとても高いことに驚かされる。 Webでクリックすれば好きな商品がすぐに購入できる時代なのに、対面での情報取得にとても意欲的なのはどうしてか?それも一般的な情報ではなく、「私の肌にはどうすればいいのか?」「...
【週刊粧業2019年2月4日号5面にて掲載】 最近、美容業界の傾向の1つとして、『パーソナライズ化』が注目されている。「自分の肌悩みや髪悩みに合ったケアでより効果をあげたい」と考えるお客様にとって、「あなたに最適な」と訴求する『パーソナライズ化粧品』は魅力的である。 現在は、多くの組み合わせタイプの中から、お客様の条件に合う最適な化粧品が選ばれて提供されるというパターンが多いようだが、この先...
【週刊粧業2019年1月14日号10面にて掲載】 弊社はお客様のグループインタビューを頻繁に実施している。そのため時々お客様からびっくりするようなご提案をいただくことがある。 たとえば「育毛剤とカラーリングが1つでできる商品はできないか」「顔にも体にも使える保湿効果が高く、しかも安価なソープはできないか」「マッサージしなくてもよいマッサージ効果のある美容クリームが欲しい」等々。 確かにそうい...
【週刊粧業2018年11月26日号4面にて掲載】 最近、化粧品販売の統計データを調べることがあった。辞書のような分厚いデータ集と首っ引きで数日間を過ごすことになった。これまで、統計的なデータは市場の動きを後から追いかけてくるので、『先読み』の資料としては、あまり役立つことは少ないと思っていた。しかし、あらためて事細かく資料を見てみると、意外に役立つことが多いことがわかった。 まずここ5年間の...
【週刊粧業2018年9月24日号6面にて掲載】 今回は化粧品ビジネスの「時間感覚」について考えたい。私は若い頃ファッション業界に在籍していたお陰で、ファッションの小売業&メーカーの年間スケジュールが叩き込まれたように思う。つまり年間の展示会&発注会、店頭の投入とバーゲン時期、それに伴うモノづくり&情報収集の時期、海外コレクションの時期などが明確で、業界全体の年間暦があった。 独立してから化粧...
【週刊粧業2018年8月20日号4面にて掲載】 もともと私は広告制作業務側の人間だが、最近は化粧品開発もお手伝いしているので、ついついモノづくりの視点で企業を見ることが多くなっている。そんな中で、ある化粧品会社の開発担当の方とお話していた時に、「究極のところ化粧品無用論に行き着いてしまうかも?」という話題になってしまった。 論点はこんなところだ。「私たち人間は生まれたばかりの赤ちゃんの時の肌...
【週刊粧業2018年6月11日号16面にて掲載】 最近中国の若手経営者組織の冊子に寄稿を依頼され、日本でビジネスをしている中国人や、中国通の人々と親しくなった。その中の1人が20年来中国を研究している日本人女性ジャーナリストで、多くの中国関連書籍を執筆している。彼女が「中国関連は変化のスピードが速く、本を執筆しても次々に内容が古くなってしまう」と嘆いていた。 我々も中国からの旅行者を身近に見...
【週刊粧業2018年4月30日号10面にて掲載】 我が社の事務所がある東京・銀座は今「アート」気分で盛り上がっている。 そもそものキッカケは、昨年4月に森ビルとJ.フロントリテイリングがオープンさせた「ギンザ シックス」だ。能楽堂を擁し、草間弥生のアート、森美術館の知見があらゆるところに生かされている。そして今年は、ダニエル・ビュレンのストライプ。少し離れた日比谷には、今年「東京ミッドタウン...
【週刊粧業2018年2月26日号20面にて掲載】 弊社は通販化粧品の広告制作をメイン業務としている会社なのだが、化粧品の広告づくりは訴求ポイントと密接に関わるので、最近は商品企画から関わらせていただくことが多くなった。そのため、お客様の「ペルソナ」の設定から「肌質タイプ」や「肌悩み」の予測、成分の選定に至るまで意見を求められることもある。 その後はひたすら処方研究の専門家たちからサンプルが届...
【週刊粧業2018年1月29日号10面にて掲載】 私は通販化粧品会社から仕事を依頼されると、必ずといってよい程コールセンターのスタッフに「自社の化粧品を使っていますか?」と訊ねることにしている。なぜなら、自社製品の愛用者が多いコールセンターほど活気があって売り上げも好調だからだ。 中には、「競合の製品を使って比較し、自社製品の特徴を話せるようにしている」「休日にはデパートのカウンターで美容部...
【週刊粧業2017年12月4日号5面にて掲載】 弊社ではグループインタビューや顧客イベントを企画することが多いが、つくづく化粧品会社からの情報がきちんとお客様に伝わっていないと思う。 特に驚くことが、メーカーからの推奨使用量や使用方法がお客様にまったく浸透していないことだ。長年愛用してくださっているお客様でも、メーカーが推奨する使用量や使用方法をきちんと守っている人はごく少数である。 もちろ...
鯉渕登志子
(株)フォー・レディー代表取締役
1982年㈱フォー・レディーを設立。大手メーカーの業態開発や通販MD企画のほか販促物制作などを手がける。これまでかかわった企業は50社余。女性ターゲットに徹する強いポリシーで、コンセプトづくりから具体的なクリエイティブ作業を行っている。特に通販ではブランディングをあわせて表現する手腕に定評がある。日本通信販売協会など講演実績多数。
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